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「緑の世界史」を読んで庭を考える

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「緑の世界史」を読んで庭を考える

「緑の世界史」を読んで庭を考える

「緑の世界史」

緑の世界史という本をご存知でしょうか。環境の視点から、人類の誕生から現代までの変遷が綴られています。端的に言えば、人類は環境を変化させながら生きてきたということです。人間は環境を大きく変える力を持っているが故に、人間の思考や行動が他の生物を含めた地球環境に大きな影響を与えてきました。

冒頭に書かれているイースター島の物語は、環境破壊に悩む現在の地球に状況が似ているように思います。イースター島に辿り着いたポリネシア人にとって森林に覆われたイースター島は楽園だったのだそうです。狩猟採集生活で豊かな生活を送れたのでしょう。そのうち人口も増えて、消費する資源も増えてくる。権力の誇示か祭事の理由で巨大なモアイ像がつくられるようになると、像の移動のために大量の丸太が使われました。そうしてイースター島の森林はどんどん少なくなり、それに従い土壌が雨で流されて肥沃な土はなくなってしまったようです。森林も最後の1本まで切り倒され自然環境は破壊されました。それに伴い、人口も減り豊かな生活を送ることもできなくなりました。

現在のイースター島は草は生えていますが、とても森林が豊かだった場所だとは思えません。一度失ったものは戻ることはなかったのです。モアイ像は宇宙の神秘ではなく、未来の人類への警鐘なのだということが書かれていました。

 

 

庭づくりでできること

これを読んで、私は、庭づくりをとおして自然を守ろうと思いました。無駄なエネルギーの消費をしない、他の生物の生活の場所を奪わない、地域の自然とつながるような場所をつくるなど。私たち庭づくりに携わる者にできることがあるはずだと考えています。

庭づくりは小さな自然をつくることだと思うとなかなか責任のある仕事です。土地を所有するお客様たちも環境に与えるインパクトを考えてもらえればと思います。むやみに殺虫剤、除草剤をまかずに自然のシステムの中に庭があるのだということに思いを寄せてみてください。

今日も微力ながら、より良い未来の環境のために仕事をしたいと思います。

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